雑記#宮城峡蒸留所見学

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仙台の第一回チャイナフェスティバルに出展するついでに近くの宮城峡蒸留所に見学しに行きました。今回の見学で色々聞けましたので、えんくん独自の情報を共有します、気になる方はぜひ最後まで読んでくださいね。

ビジターセンターのエントランス

見学ツアーの紹介

えんくんが参加したのは蒸留所の無料ツアーです。ツアーはトータルで70分ぐらいで、事前予約が必要です。ちなみに朝9時の時間帯は無料のシャトルバスがないので一番空いています。

無料見学ツアーの予約はこちらのURLです。

https://distillery.nikka.com/miyagikyo/reservation

見学ツアーはまずシアターで動画を視聴し、その後①~⑥の順で見学します。実際に中に入れる施設は③仕込棟、④蒸留棟、⑤貯蔵庫の3つのみです。しかし危ないところがあるため、残念ながら目玉のカフェ式蒸留器は見学できないです。確かに連続式蒸留器に流れるスチームはポットスチールより温度が高く、しかも当時工場を建てたとき一般見学のためのスペースや通路をあらかじめ用意していなかったでしょう。納得はできますがどうしても実物を見てみたいですね。

製麦、糖化、発酵のところ

こちらはキルン塔(乾燥棟)、麦芽を2階において、1階の床でピートなどを焚いて麦芽を乾燥させます。その間麦芽にピートの香りとスモーキーな香りがついて、後にウイスキーの原酒に残ります。

スタッフさんに聞いたところではこちらのキルン塔は6年前からもう使わなくなって、現在すべての原料は海外の製麦会社から購入しているらしいです。現在製麦を自社で行われている蒸留所は非常に稀で、しかも日本国内にはピートがないので、輸入するほうが合理的です。昔稼働する姿を想像するしかないです。

キルン塔の隣はモルトミルの建物と麦芽の貯蔵タンクです。さらに前に進むと仕込棟になります。仕込棟の中に糖化槽と発酵槽、中央制御室があります。建物に入った瞬間から糖化した麦汁の香りが鼻に入ります。後でほんのり少し乳酸の香りも感じました。発酵時間は最もオーソドックスな3日間です。中央制御室は撮影不可でしたが、遠くから見ることができます。温度管理は全部コンピュータで行われており、近年日本ウイスキーの高人気で現在は24時間体制でフル稼働しているみたいです。

蒸留のところ

左の2台は初留器、右の1台は再留器

仕込棟の隣は蒸留棟です。蒸留器は全部バルジ型で、中に初留器2基と再留器2基のセットが2つ計8台があります。(ちなみに多くの場合初留器だけ、ネック部分にサイドグラスがついています。今度蒸留器見学のとき探してみてくださいね。)余市蒸留所と同じくネックにしめ縄を巻いています。えんくんが気になるところは、宮城峡の蒸留器は全部バルジ型なのにラインアームは全部上向きでちょっと太い、逆に余市の蒸留器はストレート型なのにラインアームは下向きで細い、とても面白い組み合わせだと思います。他にミドルカットしたニューメイクの香りを嗅ぐ装置があります。非常に華やかでグレープフルーツと思わせた香りでした(できればいつかニューメイクも飲んでみたいですが、まあ無理であろう)。年間の蒸留能力も聞きましたがどうやら企業秘密で教えてくれませんでした。

貯蔵庫と樽

雨の中の宮城峡蒸留所

上の写真の一番右はカフェ式蒸留器の建物、一番左奥の建物は新築したラック式の大型貯蔵庫です。この貯蔵庫によって原酒の貯蔵能力が1.5倍以上になったみたいです。四五年後今のような品薄が少し解消できると期待しています。

ツアーで見学できる貯蔵庫は余市蒸留所と同じくダンネージ式です(写真撮り忘れました)。貯蔵庫の中で焦がした樽(チャーリング)の内側を展示しています。初めて見ました、本当にクロコダイルの皮みたいな模様でした。

見学した貯蔵庫に置いてある樽は全部200Lぐらいのバレルで、樽について解説スタッフに色々聞きました。現在使用している樽のほとんどは栃木にあるニッカの自社工場で作っています。海外から直接オークの木材を輸入して自ら樽に加工する、いわゆるバージンオークの樽です。これも近年のウイスキーブームによってバーボン樽やシェリー樽の輸入コストが爆上がりした影響があると思います。聞いたところニッカの栃木工場は専門の制樽工場、千葉工場は専門のブレンディング工場、余市と宮城峡では樽の修理ができます。

最後はテイスティング

無料ツアーの最後に⑥のバーとギフトショップで「アップルワイン」、「スーパーニッカ」「シングルモルト宮城峡」の三種類の無料試飲があります。宮城峡蒸留所で使用している新川のお水と炭酸水も提供しています。

えんくんはアップルワインとスーパーニッカとも初めて味見しました。アップルワインはフォーティファイドワインと同じ製法で甘みがあって飲みやすかったです。スーパーニッカは思ったよりスムースで最初の一口はアルコールからのアタック感がほぼ感じませんでした。

蒸留所限定のウイスキーを三つ買いました。まず最初は弘前工場で造ったアップルブランデーを味見してみました。華やかな香りで味はバーボンウイスキーにちょっと似ている感じでした。少し加水すると酸味も少し現れ、ハイボールにすると香りが非常に長く残ります。恐らくバージンオーク樽で熟成したのではないかと思います。残りの2本は後日テイスティングしたら追記します。

宮城峡蒸留所の概要

宮城峡蒸留所(Miyagikyo Distillery)は、日本の宮城県仙台市近郊に位置するニッカウヰスキーが運営するウイスキー蒸留所です。創業者の竹鶴政孝が、スコランドで学んだウイスキー製造技術を日本に導入し、1969年に設立されました。ニッカの2番目の蒸留所であり、最初の蒸留所である余市蒸留所と対照的な特徴を持っています。

宮城峡蒸留所は、豊かな自然環境に恵まれた場所にあり、山々や川に囲まれた清浄な空気と水を利用して、柔らかく繊細な味わいのウイスキーを製造しています。この場所の自然の要素が、余市蒸留所の力強くスモーキーなウイスキーとは異なる、フルーティーでエレガントなウイスキーを生み出す要因となっています。

特徴としては、スチーム加熱式のポットスチルを使用し、穏やかな蒸留プロセスを行うことで、フルーティーで滑らかなウイスキーが出来上がることが挙げられます。また、リッチで華やかな香りも特徴的です。

宮城峡蒸留所で製造されるウイスキーは、シングルモルトとしても高い評価を得ており、世界中のウイスキーファンから人気があります。代表的な製品として「シングルモルト宮城峡」や、ニッカのブレンデッドウイスキーである「竹鶴」シリーズにも使用されています。

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